アーセナルまとめ


ここからはアーセナルについて。


まず、夏の移籍市場での動きから振り返っていこうと思いますが、
戦力の変移は以下の通り。


OUT:
レーマン
センデロス(ローン)
J・ホイト
トラオレ(ローン)
フラミニ
ジウベルト・シウバ
フレブ


IN:
シルヴェストル
ラムジー
ナスリ
ビショフ




バックラインの選手についてはシルヴェストルで十分に補完出来たから良いけど、
レギュラークラスの守備的MFが2人も出ていったのに
そこの穴埋めをしていないのがどうしても悔いが残りますね。
ビショフとか結局リザーブゲームにしか使ってないし。




今季のアーセナルを観ていて印象的なのは、


・守備的MF不在で、まとめる選手がいないのもあって中盤でのプレスが全体的に弱い。
・だから最終ラインへの負担が増し、さらにそれに耐えるだけの強さがDFには無い。
・リードを守り切れない。時間の使い方が下手で、守備固めが不十分。意思統一の問題?
・空中戦に弱い。
・セットプレーに弱い。よくマークを外される。
・ラインコントロールをミスすることが多い。特にクリシー、トゥレ。
・ビルドアップがセスク頼み。デニウソングはビルドアップ能力が低い。
・中盤のゲームコントロールもほぼセスク頼み。構成力の低下が激しい。
・セスクへの負担が大き過ぎて、セスクの前線への攻撃参加が減った。
・全体的にオフザボールの動きが少ない。
・中盤の選手がほとんどミドルシュートを打たず、前に運んでも詰まってバックパス。
アデバヨールへの放り込みが多い。しかも、ロングフィードの精度が軒並み低い。
・両サイドからクロスを放り込むことが多い。しかもクロス精度が低い。
・結果的にアデバ、ペルシ、ナスリぐらいしかまともに点を取れない。


ほとんど昨シーズンとの比較になりますが、悪いところばかり挙げてしまった。
逆に昨シーズンから良くなった点を考えてみたのですが、
強いて言えばフレブがいなくなったんで崩してもフィニッシュまでいかない、
みたいな焦らしが無くなったぐらいだけど、そもそも崩せなくなったので
良くなった点と言っていいのか判断に迷うところ。




続いて、各ポジションについての全体的な感想など。


GK:
ここに関しては数日前やった選手個別評価と大して変わらないので省略。


CB:
シーズン開幕当初はギャラス、トゥレが不動のレギュラーでしたが、
空中戦での弱点を散々露呈したことや、怪我の関係もあって
今は数ある選択肢のうちの一つに変わったような印象。
現状、起用法としては対人守備に強いギャラスorトゥレと、
空中戦に強いジュルーorシルヴェストル、というチョイスをしている。
序列としてはギャラス、ジュルーがレギュラーと見ていいでしょう。
このポジションに関してはジュルーの台頭が無かったらかなりきつかったと思う。
9月、10月時点では冬の補強優先度が最も高いポジションだったかもしれませんが、
今はロシツキーの復帰が遅れていること、セスクの長期離脱が重なっているので
ギャラスに残留してもらって本格的な補強は夏に実施ってのが正解っぽい。
言いかえれば、夏にはかなり大きな動きがありそう。
一応、噂に挙がっているのはディスタン、ハンゲランド、ファン・ブイテン
他にもいた気がするし、噂はちょこちょこ出てくると思う。


SB:
中盤のパフォーマンス低下の影響を受けてるってのはこの前書いたけど、
特に影響を受けているのがクリシーで、
元々変なところでポカをする選手だったのが守備機会が増えたことで
より目立つようになってしまった。
ただ、ここに関しては選手個々の能力は高いので冬に動くほどではないかな。
動くとすれば噂に挙がっているのはエンゾグビア、ダボだけど、
エンゾグビアに関してはポンペイに出向中のトラオレとポジションが被るので
ベンゲルは獲らないような気がします。


CH:
フラミニジウベルトが抜けたことでさらに若返りしたポジション。
この2人が抜けたことでアンカーとして守備に精力的に動く選手がいなくなり、
フラミニに関してはビルドアップの面でもかなりの痛手を食った形。
現状、デニウソンはビルドアップの際にDFからボールを貰う動きがなってないし、
そこからの展開力も無い。ソングはボールを貰っても判断と精度が悪い。
中盤に関しては様々なタスクをセスクに依存する形となってしまったが、
現在はそのセスクが長期離脱の為、シーズン終盤まで不在ってのが確定している状況。
ポンペイ戦ではナスリとディアビがビルドアップの面はカバーしていたけど、
その分前線でアデバヨールが孤立するような形となってしまい、
ピッチ全体としてみるとまだまだ課題は尽きない。
このポジションに関しては夏にシャビ・アロンソかインレルを獲れてさえいれば、
中盤全体のクオリティがかなり違っていたと思うだけに残念。


SH:
このポジションは昨シーズンまでレギュラーを張っていたフレブ、ロシツキーが抜けたことで
中盤でのゲームの組み立て、運動量、守備において弱くなってしまった。
ただし、ナスリ、ウォルコットの場合は↑の2人よりも得点能力は高いので
前に運んでしまえばそちらのメリットが活きる場面もいくつかあった。
しかし現状はウォルコットも長期離脱中で、さらにエブエは怪我明けでコンディションが悪い中
ファンからのブーイングで精神面にも追い打ちをかけてしまった関係上、
まだコンディションは完全な状態には戻っていない印象。
ロシツキーの復帰が3月あたりまでずれ込むのは確定しているし、
ウィルシャーはまだリーグ戦で使う気が無いようなので冬には何らかのてこ入れが必要。
ってか、サイドの選手が足りなくてデニウソンとかディアビをサイドに回すってのが良くない。


FW:
アデバヨールファン・ペルシーの能力からすれば中盤が良ければもっと良い結果が出る。
それでも、前半戦はこの2人がかなりチームを引っ張ったと思う。
得点だけでなく、ゲームの組み立てにおいても。
それだけにベントナーとの差は広がる一方だけれど。
ヴェラに関してはまだトップチームにフィットしているとは言い難いけど、
この間のポンペイ戦を観た限りじゃサイドでの途中出場等で徐々に慣らしていくのは有り。
あとはワンチャンスを確実にものに出来るエドゥアルドが復帰すれば十分かな。




前半戦で見えた課題と、各ポジションの現状を踏まえれば、
補強は最低でも2人は必要になりそう。
ポジションとしては、万能型の守備的MF、ゲームの組み立ても出来るアタッカーの2つ。
だから、噂に挙がっている選手を簡単に当てはめると
インレル、アルシャヴィンとなるのも頷ける。


どんな能力が要求されるかもうちょっと書くと、
CHに関しては運動量とビルドアップ能力、守備面でのカバーリング能力、
それからある程度のリーダーシップですね。
現状、アーセナルの中盤でリーダーになれる選手がいないので、
リーダーになれとは要求しないけどある程度周りに的確な指示を送れる選手は必要。
リーダータイプならヴィエラなんだけど、彼はここ数シーズンのプレー見てると
明らかに劣化しているし、実力が伴わない選手が下手に指示送っても
ギャラスの二の舞になりかねない。
ヴィエラならアーセナルでの実績があるから大丈夫かもしれないけど、
今の世代はほとんどヴィエラを知らないので確信は持てない。


アタッカーに関しては、必ずしもアルシャヴィンである必要はないけれど、
ドリブルで仕掛けるという選択肢を持った選手がほしいのは確か。
他にはクラニチャルが噂に挙がっていて、
ポンペイの状況からしても移籍の可能性はあるんだろうが
今のアーセナルに必要なタイプではない。
どちらかと言えば、可能性があるならスパーズだろうがモドリッチの方が良い。