良い攻撃の形は良い守備から生まれる

ウィガン戦見てると、ピンチこそ少ないけれど
あわやピンチという場面は非常に多かった。
ウィガンはどこが相手でもロングボールはほとんど使わずに繋いでくるチームで、
特にここ数シーズンでそのスタイルを確立した感はある。
嵌らなければザルな相手なんだけど、嵌ると非常に厄介な相手で、
この試合ではウィガンの3−4−3でサイドの数的優位を作る攻撃に何度も手を焼いていた。

よって、ボールを奪える位置が自陣の低いエリアになってしまう為、
当然攻撃に切り替えた際に前線が遠いという事態に陥る。
アーセナルのアタッカー3枚には中盤以降と積極的にリンクする選手がいない。
それもあって、アーセナルがボールを奪ってから横パス、バックパスで
攻撃を作り直すというケースが多々ある。
バルセロナだったらそこから上手く作り直せるけど、アーセナルにはまだそこまでの文化はない。
バックパスに関しては、アルテタとかが消極的になっているという指摘も分からなくはないが、問題は複雑。

メンバー的に見ても、ショートカウンターの方が点は入りそう。
ただ、アーセナルは特にここ数年中盤で連動したプレスをかけることが出来ていない。
個々のパフォーマンスに頼りがちで、それがバラバラの時に中盤が緩くなって攻め込まれ易くなる。
深い位置まで攻め込まれるとボールを奪い返した後の攻撃の威力も落ちる。
一発で裏を狙うという手もあるが、最近はこれも少ない。
この試合も、前線にウォルコットがいるのだが、最終ラインから一発で裏を狙うという場面は
たしかフェルマーレンが前半終了間際に出した1本のみだったはず。

中盤の守備に関しては07−08までは素晴らしかったが、
08−09以降は常に問題を抱えている状態。
フラミニジウベルトが抜けて、本当に守備能力に長けたMFがいなくなってしまった。
更に、フレブも移籍、ロシツキー長期離脱ということで、
両サイドのメンバーも当時のナスリやウォルコットがメインとなり、
彼らも守備能力には欠陥があった。

前回のエントリーでサイドアタッカーのクオリティ低下を嘆いていたけど、
守備面でも明らかに落ちてるのが気になっていて、
それが解消するまではチームとしてもなかなか上には行けないような気がする。