ターニングポイント
今のアーセナルが正にそう。
セスク、ナスリといった主力中の主力を同時期に放出することになるわけだけど、
ここでどのようなリアクションをするかによってアーセナルの今後の命運が左右される。
まず、セスク、ナスリ退団のタイミングとしては2番目に悪いタイミングになりましたね。
1番悪いタイミングは移籍市場が閉まるギリギリ。
セスクに関しては、ベンゲルも何だかんだ言ってある程度覚悟はしていたと思う。
セスクの態度からして、去年よりも退団の意思が固いのは明らかだった。
ナスリに関してはここまで状況が悪化するとは考えてなかったと思う。
私もここまでは考えていませんでした。
ただ、昨季の不甲斐なさ+今オフのアーセナルの仕事の出来無さぶりを見ると、
主力選手の気持ちがクラブから離れていくのも無理はない。
最早、一流の実力を持った選手をクラブに繋ぎ止めておく程の求心力が
ベンゲルには無いことが分かった。
モチベーターとしては、モウリーニョはおろか、レドナップとかにも劣っている。
(レドナップはモチベーターとしては一流、他は二流って感じだけど)
外野がベンゲルを批判するのに関しては擁護の余地があるとは思うけど、
身内がイエスマンで固められてる感があるのはどうかと思う。
これはデインがいなくなってからずっと抱えているアーセナルの問題。
本題に戻るけど、ここからアーセナルをどう立て直すか。
まずは昨シーズンのベストメンバーを振り返る。
青で表記しているメンバーが今夏退団した(する)メンバー。
他の選手は現時点では退団の予定無し。
続いて、今季1年間戦っていくと思われるメンバー。
中盤をロシツキーじゃなくてラムジーにしたのは、
おそらくロシツキーで1シーズン戦うことは出来ないから。
ラムジーみたいに実力云々の問題という以前に、怪我も含めコンディション的に厳しいかと。
同様のことはディアビについても言える。
サブメンバーも含めると以下のようになる。
印象としては、以下の4点が問題点として挙げられる。
もう1個忘れてた。
選手層が薄い…というか、バックアップメンバーが全体的に実力・経験不足。
今季は特に両SBが酷いかな。
全体的には、ここ数年で一番酷いスカッドかもしれないけど、
中盤がピンポイントで壊滅的だった08-09とどっちがマシかってレベル。
まず、中盤の問題。
元々、セスク有りのベストメンバーでも守備面には不安があった。
それに加え、今回セスク退団で攻撃面のクオリティ不足も大きな課題になりそう。
今まではセスク中心に組んできていたわけだから、
セスク退団はチームバランス改善の大きなチャンスでもある。
ただし、セスク抜けるからと言って4−4−2ってのは無いな。
それを考えるなら、プレシーズンマッチで試しておくべきだし、
何よりも現メンバーで4−4−2がやれるとも思えない。
両サイドが攻撃的過ぎるし、中盤センターも守備が不安視されてる現状で
枚数を更に減らすのは自殺行為に等しい。
近年のアーセナルはボールポセッションを重視していたが、
その中心にいたセスク、最もボールキープ力のあるナスリを放出することにより、
同じ戦術を継続することはチームの更なるアンバランスを生み出すことになりそう。
新戦力のジェルヴィーニョなんかは積極的に仕掛けていくタイプで、
セーフティなプレーを選択しがちなナスリとは正反対ですし、
中盤が今のままだと昨季終盤戦のような大惨事を1年間見続ける羽目になるかも。
両サイドに直線型の選手が多いっていうのも、似非ポセッションサッカーを継続し難い理由。
前線のメンツ的には、明らかにカウンターサッカーの方が向いてるんだけど、
今のアーセナルは後ろでがっちり守ることが出来ない。
ジウベルト・シウバがいた05-06シーズンのCL仕様チームはしっかり守れてましたが。
以上のことを踏まえると、今後のチームの方向性としては、
ハイプレスからのショートカウンターサッカーがメイン
- ボールポセッションの遅攻サッカーが向かない⇒速攻が増える
- 引いて守備ブロックを作る守り方が出来ない⇒前プレス重視
っていう風になると、自ずと選択肢が絞られてしまう。
両サイドにスピードの速い選手が多いので、そこに上手くボールを配球出来る選手が求められます。
あとは、チームが前がかりになる中で、適切なチャレンジ&カバーが必須。
ベンゲルは細かい戦術を組むタイプの指揮官ではありませんが、
昨季のホームでのバルサ戦のように、大まかな方向性を決める時は決められる。
あのテンションを1シーズン継続するのは難しいし不可能だと思うけど、
やり方としてはあれが今のアーセナルに一番適しているのかもしれない。
どういった選手の獲得が必要かってのは、また別の機会にしますかね。
盆休みは長い。
今日の締めとしてこれは書いておきたい。
アーセナルがセスクやナスリを放出するからといって、
自分がアーセナルに求めるものは変わらない。
シーズンが始まる前から4位以内さえ維持出来れば満足なんて考えは毛頭ないし、
現段階で自分が求める価値を下げるぐらいだったらアーセナルファンを辞める方がまだマシ。
タイトルを獲れないってのは敗者を意味するわけで、
敗者であることに中に美学を見出すような美意識は自分の中には存在しない。
勿論、現戦力でタイトルを獲れるかと問われれば答えはNo
それは08-09シーズン以降ずっとそう。
だから、毎年ちゃんと補強しろだの課題修正しろだの言ってるわけで。
ただ、セスクが出ていく以上、また出直しになるわけで、
長い目で見ていくことも当然考えています。
今後はウィルシャーが中心になっていくのかな。
彼が最もそれに相応しいクオリティを持っているし、他にいないし。