総括その4


ミッドフィルダー続き


まずは両サイドについて。
対象はナスリ、ウォルコット、エブエ、アルシャヴィンで。
他にもディアビとかデニウソンが何度かサイドを務めましたが、内容的に論外なので除外。


ナスリ、ウォルコットについて攻撃面の課題は意外にも共通していて、
ポジショニングと可能性の低いクロスの多用。
2人ともサイドで起用されたときにサイドに開き過ぎていて、SBを上手く使えていない。
ナスリに関しては右サイドの時は何故かサニャを上手く使えていたりするので、
ほんの数cm単位の修正で大幅な改善が望めそうな気はするけど。
ただ、問題なのはSBの使い方よりもむしろFWとの連携。
ウォルコットに関しては右サイドに開いていて、スピードを活かすプレーしかないので
他の選手からすると活かし方がハッキリしていていいのかもしれないけど、
ナスリに関してはボールキープで攻撃の時間を稼ぐ以外は正直まだまだ詰めが甘い。
今季に関してはナスリ以外にボールが持てて且つ一定の状況判断力を持った選手がいなかったので
相対的にナスリの評価が高くなっている節はありますが、出来としては不十分。
ただ、加入1年目でそれなりにチームに溶け込んだのはポテンシャルの高さ故か。
あとはフレブやロシツキーに比べると決定力はそれなりに期待出来るので、
ポジショニングを改善して試合から消える時間帯をなくしていけば
相手にとって恐い選手になれると思います。


エブエはホームのファンからブーイングを浴びて以来、一時期パフォーマンスを落としたり、
スパーズ戦でアホな退場をしたりと評価を落とした時期はあったものの、
それ以外の時期のプレーは意外にも良かったと思います。
昨季からの成長も垣間見えた。
ただ、課題はやはりPA付近でのプレー精度。


アルシャヴィンに関してはロシアリーグを1シーズン終えてからの加入だったので、
特に加入当初はコンディション面でかなりきつかったと思います。
しかし、そこから急激にアーセナルにフィットし、今やチームに欠かせない存在になりつつある。
アルシャヴィンはフレブやロシツキーほど中盤で貢献するわけじゃなく、
むしろ前線でのフィニッシュに向かう場面で目立つタイプ。
アーセナルには数少ない個で局面を打開出来る選手だし、
来季は更なる活躍を期待しています。


ただ、サイドアタッカーに関してはやはりロシツキーが復帰出来なかったのが痛かったですね。
去年の夏の時点では年内に復帰出来るものと思っていただけに残念というかショックでした。
彼がいれば中盤の構成力アップが期待出来るし、難しい局面でもシンプルにボールを捌けるんで
周囲の選手がもっと活きるようになると思うんですよね。
中盤に関しては攻守両面で連携不足もいいところだったので
来季は今季出来なかった分の補強+成熟という相反する課題を両立しなければいけない。


守備面ではアンカー不在だけに限らず、全体としてプレスをかけなさすぎ。
意思統一もままならず、今季のアーセナルの悪い部分を全て凝縮していると言っても過言ではない。
プレミアの上位3チームとの決定的な差は、相手の自由を奪えるかどうか。
こんなのすでにエバートン以下の中堅クラブもすでに始めていること。
アーセナルがこの課題を野放しにしておけば、来季こそ下のクラブに追い越されても不思議ではない。